電子書籍のデメリット一覧とその真相

今まで電子書籍のメリットばかり強調してきましたが、たまにはデメリットについても考えてみます。

まず電子書籍のデメリット一覧をご紹介します。

その後、デメリットを個別に検討して、真相を探ってみます。

よく指摘される電子書籍のデメリット一覧

紙の本と比べると、電子書籍には以下のようなデメリットが指摘されています。

  • 電子書籍ストアのサービス終了で読めなくなる
  • 昔の本(既刊本)が電子書籍化されていない
  • 売ることができない(資産性はない)
  • 中古本を安く買うことができない
  • 貸すことができない
  • 紙の本と質感が違う(目が疲れる)
  • ペラペラめくれない(読みにくい)
  • 電気やネット接続が必要
  • 机の上に複数の本を広げることができない

より深刻なデメリットほど上の方にリストアップしてみました。

皆さんはどのデメリットが気になるでしょうか。

デメリットを一つ一つ検討する

上記に挙げたデメリットの中には、「こう考えればデメリットとは言えないはず」というものがあります。

デメリットについて一つ一つ考えてみました。

電子書籍ストアのサービス終了で読めなくなる

これが電子書籍の泣き所で、多くの人が心配していることです。

当ブログでも何度も取り上げてきました。

サービス終了した電子書籍ストアはどうなったか
電子書籍ストアが乱立していますが、すでにサービス終了したストアもあります。 実際にサービスを終了した電子書籍ストアは、どのような対応をしているでしょうか。 ユーザーとして教訓になるので、調べてみました。 買った電子書籍はいずれ読めなくなる ...
電子書籍は永遠に読めるのか?運営会社が潰れたら?
「電子書籍ストアが倒産したら、購入した電子書籍はどうなるか?」との疑問をよく見かけます。 短期的には影響がありませんが、長期的には読めなくなります。 技術的には救済できますが、デジタル著作権管理の問題から救済されません。この点について解説し...

サービス終了のリスクは常に心に止めておくべきですが、大手のストアならリスクは高くありません

ストアを複数使い分けることで、損失を軽減することもできます。

上記のページでご説明していますが、サービス終了ですぐに読めなくなるわけではありません。サービス終了すると長期的に読めなくなる、という程度です。

万が一のときには電子書籍を入れたデバイスを長持ちさせることになりそうです。

昔の本(既刊本)が電子書籍化されていない

これもよく聞くデメリットです。いざ電子書籍を買おうとしたら、「読みたいタイトルが紙の本しかない」ことはよくあります。

新刊であれば、ほとんどのタイトルは電子書籍化されています。古い本でも売れ行きが見込めるものは、次々と電子書籍化されています。

それ以外の古い本は、紙で読むしかありません。

しかし、今後10年20年と時間が経てば、電子書籍ばかりになります。20年以上昔のタイトルを読むことは多くないので、デメリットではなくなるはず。

▼追記

旧刊・既刊本が電子化されない理由について調べました。

旧刊(既刊本)が電子書籍化されない理由
「読みたい本が電子書籍化されていない」 これは多くの人が感じる疑問ではないでしょうか。 新刊の多くは電子書籍版が出るようになりましたが、旧刊(既刊本)はいつまでたっても電子書籍化されていません。 その理由について調べてみました。 現状では電...

残念ながら、昔の本の電子化は期待しない方が良さそうです。

売ることができない(資産性はない)

その本に飽きて読まなくなっても、電子書籍は売ることができません。

電子書籍は、購入するというより、閲覧権利を手にするだけです。

しかし、紙の本を売ったにしても、ほとんどの本は二束三文ですから、それほどのデメリットではないかと思っています。

電子書籍は紙の本に比べると、購入時点で価格が安いです。売れない分だけ安くなっていると考えることができます。

中古本を安く買うことができない

古書店に行けば、古本を100円で買えたりします。電子書籍は古本を買うことはできません。

ただし、漫画の古いタイトルは安い価格で売られています。今後、一般書籍でも発行年が古くなるほどディスカウントされるかも知れません。

もともと電子書籍は紙の本より安く、無料で読めるタイトルも多いことを考えると、それほどのデメリットではありません。

貸し借りができない

電子書籍は一時的な貸し出しに向いていません。

電子図書館は普及する気配がありません。紙の本は、図書館での貸し出し用として生き残りそうです。

貸し借りできないのは、ゲームや音楽も同じです。現在はオンライン配信が主流になっているので貸し借りができません。

コンテンツを貸し借りする時代は終わった」と考えた方が良さそうです。その分、コンテンツにかかるコストは安くなっています。

単品の貸し借りから、月額定額制がコンテンツの常識になりそうです。

紙の本と質感が違う(目が疲れる)

ディスプレイ上の小さな文字を何時間も読むと、たしかに疲れます。

電子書籍を読むときには、文字サイズを大きくしたり、途中で休憩を入れるなどの対策をしましょう。

また、電子書籍の専用リーダー(Kindle ,kobo)を使えば、電子ペーパー技術を使っていて、目が疲れにくくなっています。

ペラペラめくれない(読みにくい)

どの電子書籍アプリにも、スライドすることでページをペラペラめくる機能があります。

慣れるまでに時間がかかるかも知れませんが、慣れてしまえば不満は感じません。

今後もアプリの機能が向上することを考えれば、これはデメリットではなくなります。

ハイライト、メモ、検索といった電子書籍特有の機能も使いこなせば、「紙の本こそ読みにくい」と思う時代がそのうち来ます。

電気やネット接続が必要

紙の本は、物理的な本さえあれば読書できます。

電子書籍は、スマホ・タブレット・PCといったデバイスはもちろんですが、充電する必要があります。

さらに、電子書籍ファイルやビューワアプリをダウンロードするためにネット接続も必要です。

現代文明があるかぎり、電気とネット接続は確保できますので、それほどデメリットではありません。

逆に、電気もネットもないような生活になったら、読書している場合ではないでしょう。

机の上に複数の本を広げることができない

紙の本なら広い机にたくさんの本を広げて並べることができます。

しかし、そのような読書の仕方をするのは、技術者や芸術家のような一部の人達ではないでしょうか。

殆どの人は、そのような読書はしていないはずです。

電子書籍は、開く本の切り替えが簡単ですし、開く場所を記憶させる「しおり機能」もあります。

電子書籍化は誰にも止められない

すべてのデメリットを検討してみて改めて気づいたことですが、たいしたデメリットがありません。

一方で、電子書籍のメリットは山のようにあります。

本が電子化されるのは、不可逆的な時代の流れだと改めて感じました。

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