電子書籍は永遠に読めるのか?運営会社が潰れたら?

「電子書籍ストアが倒産したら、購入した電子書籍はどうなるか?」との疑問をよく見かけます。

短期的には影響がありませんが、長期的には読めなくなります。

技術的には救済できますが、デジタル著作権管理の問題から救済されません。この点について解説します。

ダウンロードした電子書籍に当面の影響はない

購入した電子書籍はダウンロードできるようになっています。

クラウドで読めるタイプであろうとなかろうと、ダウンロードできるアプリがあります。

電子書籍ストアが潰れたとしても、スマホやPCにダウンロードしてある電子書籍ファイルには影響がありません

ですから、短期的な影響はありません。

再ダウンロードができない

しかし、長期的には問題があります。

運営会社が潰れたら、webのサービスは終了します。ストアのwebサイトから、電子書籍の再ダウンロードはできなくなります。

これがけっこう重大で、長期的には読めなくなることを意味します。

なぜなら、現在使用しているPC・スマホ・専用リーダーを買い換えると読めなくなるからです。

DRMはデバイス間の移動に制限がある

通常、一度購入した電子書籍は、その電子書籍ストアから何度でもダウンロードできます。クラウドに電子書籍が置かれているので、スマホやPCを買い換えたら、またダウンロードすればいいのです。

しかし、電子書籍ストアが潰れたら、クラウドがありませんから、一度ダウンロードしたファイルを恒久的に使うしかありません

DRMで保護されているとコピーができません。そのため、一度ダウンロードしたそのデバイス(PC・スマホ・専用リーダー端末)から動かせません。

(もちろん、DRMがかかっていなければ問題はありません。DRMを解除してしまえばコピーをすればいいだけです。現在は、DRMの解除は認められていません)

スマホであれPCであれ専用リーダーであれ、そのデバイスの寿命が電子書籍の寿命となります。

同じデバイスを何十年も使い続けるのは現実的ではないため、DRMで保護されていて、しかも運営会社が潰れて再ダウンロードできないケースでは、長期的に読めなくなります

紙の書籍も電子書籍も寿命がある

お金を出して購入したからといって、電子書籍をずっと読めることは誰も保証していません。

これは紙の本でも同じです。紙がボロボロになって読めなくなったら、それで終わりです。「読めなくなった。どうしてくれるんだ?」と出版社や本屋さんに文句を言っても無駄です。

紙という素材はたまたま耐久性があるので、恒久的に読めるような錯覚があるだけです。紙の寿命がきたら、本の寿命がきたことになります。諦めるしかない。

電子書籍の場合は、電子書籍を読むデバイスの寿命が、すなわち電子書籍の寿命となります。

運営会社が存在している限り、電子書籍ファイルを再ダウンロードができたり、再生アプリの更新をしてくれるので、違うデバイスで読めることになります。つまり、寿命を延ばしてくれます。

しかし、運営会社が潰れてしまえば、デバイスの寿命が電子書籍の寿命です。ということで、結論は、「運営会社が潰れたら長期的には読めなくなる」です。

紙の書籍にもリスクがある

上記までの説明で、一見すると電子書籍のリスクが高いように感じられた方がいるかも知れません。

しかし、必ずしも紙の書籍と比べて、電子書籍のリスクが高いとは言えません。紙には紙のリスクがあるからです。

紙の書籍は、自宅で保管することになるため、火事、地震、津波といった災害リスクがあります。家を失ったら、蔵書もすべて終わりです。

その点で、電子書籍は、災害に強いデータセンターにデータが置かれているため安心です。

日本は災害の多い国なので、家を失うほどの災害に遭うリスクはけっして無視できない確率です。

その他にも、経済的に貧しくなって、小さな家に引っ越すことになれば、紙の本を持っていけないはずです。電子書籍なら、スマホさえ維持できれば、すべての蔵書を読むことができます。

災害や困窮によって紙の書籍を失うリスクと、電子書籍ストアが潰れて読めなくなるリスク。どちらが高いでしょうか。

Amazon、楽天、ヤフーといった巨大企業が潰れるリスクはあまり高くないと思います。紙の本より、電子書籍はリスクが少ないと私は考えています。

とはいえ、弱小企業の電子書籍ストアとなると、DRMのかかった電子書籍を購入するのは、ちょっとだけリスクが高いかも知れません。

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