紙の本をデジタル化する「自炊」の方法

自炊とは、紙の本をスキャンして、電子書籍にすることです。電子書籍なら置き場所にも困らないし、モバイルで何冊でも持ち歩けます。

2010年あたりに流行ったと記憶していますが、その年は「電子書籍」元年であると同時に、片付け術の「断捨離」が流行った時期でもあります。

大量の本を貯め込んでいる人たちが、本をデジタルデータにして、紙を処分していました。

電子書籍に慣れると紙の本をデジタル化したくなる

私も遅ればせながら自炊をしようかと考えています。すっかり電子書籍に慣れて、本を買うときには紙の本よりも電子書籍を選ぶようになりました。

そうなると、本棚にある書籍も電子書籍にしたくなります。持っている書籍がすべて電子書籍に統一されれば、クラウドにデータを置いて、どこでもすべての本を読むことができます。

本棚をすべて処分すれば部屋は広くなるし、引越しにも困らない。

本のために広い部屋を借りて貧乏になる話
本好きの人は、大量の本を抱え込みます。 私も以前は、大型の本棚を4個使っていた時期がありました。1つの部屋に置くことはできないので、2つの部屋に2個ずつ置いていました。 本棚4個というのは、本好きの人から見ると、それほど多くないです。本棚1...

上記のページでも書きましたが、大量の本は持っているだけで金がかかります。長い目で見るとデジタル化した方が得です。

電子書籍に慣れていない頃は、紙の本に愛着がありましたが、今では電子書籍リーダーのKindleに愛着があります。本を読むならKindleで読みたい。

ということで、自炊について調べてみました。

自炊とは紙の書籍をPDFファイルにすること

自炊というのは、スキャナーで書籍をスキャンすることです。

スキャナーとは、写真や文字を「画像データ」として読み取る機器です。最近は、多機能プリンターでもスキャナ機能がついています。

読み取ったデータは、通常PDF形式のファイルになります。PDF形式なら、PCでもスマホでも、あるいは電子書籍リーダーでも閲覧できます。

PDFファイルを変換することで、e-pub形式のファイルにすることも可能です。(ただし、PDFの使い勝手がいいので、e-pubをPDFに変換するのはよくあるけど、PDFをe-pubに変換する人は少ない)

OCR機能でテキストデータになる

自炊というと、ページの写真を撮ることだと勘違いしている人がいます。テキストデータになりますから、安心してください。

本をスキャンした段階では、いわゆる画像データです。ページを写真で撮った状態。

当然ながら、そのままでは使い勝手が悪いですね。画像データなんて重いし、検索もできない。

そこで、スキャンしたデータはOCR処理することになります。

OCR処理とは、文字の画像データをテキストデータにすることです。

テキストデータになれば、文章の検索もできますし、編集やコピペもできます。データ容量も軽くなる。

通常、スキャナにはOCR機能がついています。ほぼ自動でテキストデータにしてくれます。

私のもっているエプソンの古いプリンター(ep704a)にも、スキャナ機能とOCR機能があるくらいなので、最近の機種なら何を買っても付いていることでしょう。(一応、確認してください)

自炊に必要な機器

自炊するためには、スキャナと裁断機が必要です。

まず、スキャナーは以下の3つパターンがありそうです。

  • プリンターのスキャナ機能 5千円~5万円
  • 専用スキャナ 3万円~5万円
  • ハンディタイプのスキャナ 5千円~1万円

最近は、低価格のプリンターにもスキャナーがついています。本の数が少なければ、それで充分かも知れません。数百冊の本を自炊するとなると、読み取りの精度の問題とか、作業の負荷が厳しいかもしれません。

以下、専用スキャナの一例。

上記は、富士通のScanSnapです。本来、専用スキャナといえば業務用だったんですが、自炊ブームがあったので家庭用に販売されるようになりました。大量にスキャンするなら専用を考慮することになりそうです。

あと忘れてはいけないのが、ペーパーカッター(裁断機)です。

通常のスキャナはペラペラの紙を画像データにする設計になっています。そのため、綺麗にスキャンするためには、1枚ごとに裁断されている必要があります。

また、裁断されているからこそ、ページをまとめてセットして、一気にスキャン処理できるわけですね。本の形をしていると1ページずつめくらなくてはなりません。1冊300ページだとすると、たった1冊のスキャンでも150回ページをめくることなります。数百冊とか数千冊の本となれば、やってられないわけです。

どうしても本を裁断してくない場合は、以下のスタンディングスキャナを使うことになります。

オーバーヘッド方式で、上からセンサーで読み取ります。綺麗に開く必要はありますが、裁断する必要はありません。

大きめの画集・雑誌・絵本もスキャンすることができます。

ただし、やはり1ページずつめくる必要がありますので、大量作業には向かないですね。

最後にハンディタイプのスキャナについて。

ハンディタイプは6千円程度のものが多いので、安いのが魅力。

ただし、1ページずつ手で移動してスキャンするので、綺麗にスキャンできるのか心配があります。やはり大量作業には向かないです。自炊する本が少ない場合は、ハンディタイプでもいいかも知れません。

スキャナをレンタルする手がある

自分で自炊するときに問題となるのは、専用スキャナや裁断機を買うかどうかです。

良いものを買えば5万円以上かかりますので、二の足を踏む人が多いはず。

そこで、自炊に必要な機器をレンタルするサービスがあります。

DMMでレンタルやってます。↓


このサービスを使えば、高価なスキャナを一時的に借りることができます

1日2千円程度なので、1万円以下におさまりそうですね。機器を買うよりずっと安く済みます。

10冊20冊の本を自炊するなら、コスト的に割に合わないかも知れませんが、200冊以上の本を自炊するなら考慮したいところです。

自炊代行が違法になった現在、スキャナをレンタルして自分でやるのが基本になりそうです

資金力がある人は、スキャナを買ってしまってもいいですが。

大量の本を抱え込む時代ではない

本のデジタル化はそれなりに時間のかかる作業なので、ちょっと面倒でもあります。

しかし、引っ越しのタイミングがきたら確実にやることになりそうです。さすがにもう、大量の紙の本を持って、住み替えるなんてやってられません。

「モノを持つ時代ではない」とよく言われます。

その代表は書籍です。デジタル化してしまえば済む話なので。

家具や洋服を捨てるとなれば、デメリットも覚悟しなくてはなりません。しかし、書籍はデジタル化することでメリットばかりです

「紙の本から電子書籍へ」の流れは止まらないです。

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