電子書籍で稼ぐ秘訣は1つ。数多くのタイトルを出版することです。
すでにAmazonのKindle出版(KDP)で稼いでいる人にとっては常識になっていることです。
著名な作家であっても、書き続けないと食べていけないのが執筆業です。
まして、無名な人が電子書籍を売るなら、とにかく数を出さなくてはどうにもなりません。
1冊から得られる収益が少ない
1冊の本の価格は安いものです。
- 紙の本:1冊1,000円前後。印税100円。
- 電子書籍:1冊250円前後。印税150円。
上記は、大雑把な目安ですが、1冊売って得られる利益は100円程度なんです。
1ヶ月に100冊売れても、1万円にしかなりません。お小遣い程度です。
Kindleでよく見かける99円電子書籍は、印税が30円程度。1ヶ月に100冊売れても3千円です。
ですから、稼ぐためには、とにかくたくさんの本を売るしかありません。1ヶ月で1000冊売るくらいなって、はじめて副業といえるくらいです。
では、どうすれば大量に売ることができるでしょうか。
ヒットは予測できない
大量に売れるようなヒット作を作ろうとするのは間違いです。
ヒット作は、狙って作れるものではありません。
構想に3年かけて電子書籍を書いたところで、まったく売れないかも知れない。
3日で書いた電子書籍が爆発的に売れることもある。
ということで、ヒット作は予測できない以上、たくさんタイトルを出版して、確率的にヒットを待つしかないのです。
個人出版だけに限った話ではありません。どの出版社も毎月のように膨大なタイトルを出版しているのは、売れるかどうかの予測が立たないからです。
読者の嗜好性が細分化されている
いや、ヒット作は必要ないかも知れません。
たくさんの本を出版して、累積的に売上を稼げばいいのです。
1つのタイトルで毎月5冊しか売れなくても、200タイトル出版していれば、合計1000冊売れる計算になります。
読者のニーズが同じような業界であれば、何百種類もの商品をリリースするのは無理があります。
たとえば、お風呂の洗剤を作るメーカーであれば、何百という種類の商品を出すことはありません。消費者のニーズは「お風呂が綺麗になればいい」だけですから、そこまで多様な商品は求められていません。(香りの種類、防カビといった機能別に、10種類くらいが限度でしょうか)
しかし、書籍のニーズ(情報コンテンツのニーズ)というのは、人間の数より多くあります。
読者の嗜好は極めて多様なので、小説であろうとビジネス書であろうと、タイトルは無限に生み出すことができます。
100億でも200億でもタイトルは無限に生み出せるし、実際にそれだけのニーズがあるのです。
ですから、細分化されたニーズを拾い集めることによって、売上を確保することができます。
名作を書こうとしない
ニーズが多様であるにも関わらず、1つのニーズにこだわるのが作家魂です。
1つのテーマが万人に通じるような錯覚をもってしまうものです。
しかし、歴史に残る名作を出版しても、興味のない人は絶対に読みません。
- 天才的な「私小説」を書いても、興味がない人は読まない。
- 神がかり的な内容の「Wordpress 解説書」を書いても、必要がない人は読まない。
つまり、出版業というのは、1つのタイトルに魂を込めて、名作を生み出す仕事ではありません。人々の多様なニーズを満たすビジネスなのです。
ですから、1つのタイトルに全人生を賭けて取り組むのは、出版業としては間違っています。
1つのテーマを追い求め、自分を救うための文章を書くことのよって、多くの人の共感を得ることはできるかも知れません。稼ぐことが目的でないなら、それでいいのです。
しかし、稼ぐのが目的なら、多品種生産をして、ロングテールで稼ぐのが王道です。1つのテーマで大儲けしようというのは、宝くじに当たるのを待つようなものです。
個人が出すような電子書籍となれば、著者や出版元に信用がないわけですから、なおさらニッチ分野を攻めて、膨大なタイトル数を出すしかありません。
100タイトルの出版を目指す
とりあえず、100冊の電子書籍を出版しましょう。話はそれからです。
20タイトル程度では、まったく統計的な意味がありません。
100タイトル出せば、それまでに得られる経験値はかなりのものです。
- 1冊出版するのに要する時間
- どのタイトルはどのくらい売れるか
- どのようなテーマは効率的に売れるのか
- どのような内容はどのくらいのレビューがもらえるか
こういった得難い経験と情報を手に入れることで、「もっと稼ぐためにはどうするか」という次に進む道が見えてきます。
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