電子書籍を読み始めて、2年くらい経ちます。最近は電子書籍ばかりです。
いつの間にか電子書籍が当たり前になったけど、最初のうちは電子書籍を読んでも内容が頭に残りませんでした。
「なんでだろう?」と改めて不思議な気分です。
紙の本は目次を空間的に把握する
あくまで私の仮説ですが、紙の本を読んでいるときは、本の内容を空間的に記憶しているのではないでしょうか。
- 本を手に持って開く。
- 最初の方にはAAAという内容。
- もっとめくって真ん中編にBBBという内容。
- さらにページをめくって最後の方にCCCという内容。
こんな感じで、本の内容を記憶していたような気がするのです。手に持ってページを開いた感覚と共に、立体的な本の中の位置関係が記憶されている。
しかし、電子書籍はそれができません。空間的な把握ができない。だから、最初のうちは、電子書籍を読んでも、内容が頭に残らないのです。
電子書籍は印象的な部分で把握する
電子書籍の本をたくさん読んで、慣れてくると頭に残るようになります。
なぜ内容が頭に残るのか振り返ってみると、印象的な部分を塊で覚えているような感じです。
- BBBは印象的だった。
- CCCは印象的だった。
- AAAは印象的だった。
順序は重要ではなくて、印象的な部分を独立に記憶している感じです。最初の方に何が書いてあって・・・という順序はあまり把握していない。
これは私の読む本がビジネス書に偏っているからかも知れません。小説や漫画といった物語であれば、前後関係が重要ですから、別の記憶の仕方になりそうですが。
すべての本がパンフレットになる
電子書籍が主流になれば、本の概念は変わってくると思います。
前後関係を重視した本が減ってくる。現在のように、300ページでいくつもの論点を盛り込んで、最初から順序通りに読む本は減っていくはずです。
論点を盛り込まれても、最初から最後まで順序よく読むことがない。順序が記憶に残らない。
読者にとっては時間とお金の無駄に感じられる。著者にとっては執筆の労力が無駄に感じられる。
紙の本だったら、ある程度の厚さがないと商品として成立しません。1000円で売るためには、50ページというわけにいかない。
電子書籍は陳列スペースに限りがなく、検索性も高いので、250円程度で50ページという商品が成立する。
あと20年もたてば電子書籍が主流になり、ほとんどの本は50ページでワンテーマの情報を伝えるパンフレットになると考えています。
現在、ネット上のWEBサイトは、1ページ単位で読まれています。サイト全体を通して読むことはありません。
音楽も、20曲のアルバムを順序良く聴いていく時代ではなくなりました。気に入った曲単位で聴くようになっています。
それに近い変化が書籍に訪れると考えています。
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