素人作家が電子書籍の出版で100万部のベストセラー作家になる。
実際にあった成功事例を取り上げます。
どうやって成功したのかノウハウを公開してくれています。
読者のニーズを探り出す
成功したのは、ジョン・ロックという米国の人物。
インディーズ作家として世界で初めてアマゾン・キンドル総合ランキングで1位を獲得しました。販売部数は100万部以上。
→ 電子書籍を無名でも100万部売る方法 (Amazon)
↑そのノウハウを公開したジョン・ロック氏の本。
KDP作家の中では有名な本なので、知っている人も多いかも知れません。
ブログやtwitterを使ったマーケティングを解説した部分が多いのですが、個人的に印象に残ったのは以下。
- 原稿を読み返し、どんな読者に対して書かれているのか考える。
- 原稿を知人・友人に読んでもらい、気に入る人の共通点を見つける。
- あなたの本を気に入る人は、なぜ気に入ったのかを考える。
- 特定の章や場面について質問する。たとえば、「お気に入りのシーンはどこ?なぜそこを気に入った?そのシーンを読んであなたはどんな気持ちになった?」「感動したシーンはあった?どんな風に感動した?」「1章と2章のどちらが好き?それはなぜ?」
- あなたが扱うジャンル・テーマがどういった人々にウケるのか、彼らは他にどのような書籍を気に入っているかを調べる。
徹底して「読者が何を気に入るか?」を解明しようとしています。
読者が気に入るものがわかれば、あとはそれを提供するだけ。
ジョン・ロック氏にとっては、執筆は完全なビジネスです。自己満足とか自己表現ではなくて、読者へのサービスだと割り切っています。
小説のジャンルで成功した意義は大きい
執筆がサービスというのは、実用書なら当然かも知れません。
「iPhoneの使い方」を解説した本なら、それはiPhoneユーザーに情報を提供するサービスです。実用書は自己表現ではなく、あくまでユーザーへの奉仕です。
しかし、ジョン・ロック氏は、ミステリー小説とウェスタン小説のジャンルで成功しました。
読者が気に入るキャラはどんな人物か。どんなセリフを登場人物にしゃべらせると読者は喜ぶか。
読者が気に入るものを解明し、それを書くことで、100万部の作家になりました。実に興味深い。
自分の内面に頼らず調査する
ライトノベルの作家は、同じように読者サービスを意識しているかも知れません。
読者が気に入るキャラを出すし、気に入るセリフを言わせる。
しかし、そのときの「気に入る」というのが、自分の内面を頼りにしている人が多いはずです。
自分と同じ感性を持った読者(同じ「萌え」を理解する人とか)をターゲットにすることになります。
ジョン・ロック氏は、上記の引用にあるように、調査しています。(たとえば、アマゾンの類書のレビュー内容から読者の嗜好をつかむ)
ミステリー小説やウェスタン小説へのこだわりや思い入れがないみたいです。
自分の内面に頼らない。あくまで、読者の嗜好を調査しながら、求められる内容を書く。
まさにビジネスマン小説家という感じで、面白い本でした。
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