Kindle独自の機能として、X-Ray機能があります。
本文のキーワードを抜き出す機能です。
使っている人は少ないと思いますが、難解な本を読むときに便利です。
このページではX-Rayの使い方をご紹介します。
X-Ray機能とは何か
Amazonは以下のように説明しています。
X-Rayは、本の内容からキーワードやキーフレーズを拾い出したり、登場人物の情報を表示したりすることで、書籍の「骨格」をレントゲンのように映し出す機能です。
英語の”x ray”は、レントゲン検査でおなじみの「エックス線」のことです。
KindleのX-Ray機能は以下のような内容となっています。
- 本のキーワードを抜き出す
- そのキーワードが本文のどこで使われているかを表示する
- そのキーワードが使われている周辺フレーズを抜き出す
- そのフレーズをタップすると該当ページに移動できる
- キーワードの解説もある
「書籍の骨格をレントゲンのように映し出す」可能性を秘めたすごい機能です。
X-Ray機能に対応している本は一部
すべての本に対応しているわけではないので注意してください。
対応している本は、Kindleアプリ画面でメニューにアイコンが表示されます。
また、Kindleストアでも、本の詳細ページにX-Rayに対応しているかどうかの表示があります。
「X-Ray:有効」とありますので、この本は対応しています。本を購入する前にチェックしてください。
ドストエフスキーで実際にX Rayを使ってみた
難解な本で知られるドストエフスキーの「カラマゾフの兄弟」で使ってみました。
→ カラマゾフの兄弟(青空文庫)(Amazon)
登場人物も多いし、ロシア人の名前は覚えづらい。しょっちゅう「こいつ誰だっけ?」となってしまいます。
そんなときにX-Rayが便利です。
まずX-Rayのコマンドを確認しておきましょう。スマホのKindleアプリを例にします。
上部メニューにXの白抜きアイコンがあります。「Aa」の左側のアイコンです。それをタップすると起動します。
「すべて」「人物」「トピック」でキーワードが抽出されています。
人物をタップすると、登場人物がズラッと表示されています。
そのなかの「ドミトリイ」をタップしてみました。
すると、上部のバーに黒いボッチがあります。本の中でドミトリイが登場するシーンです。
そこをスライドすると、該当するフレーズが抜き出されています。
これをざっと一覧することで、その人物に関連したシーンや記述をすべて一覧できるわけです。
まさに本をレントゲンにかけて、骨格を見たような気分。すごいです。
それぞれのフレーズをタップすれば、本文の該当ページに飛ぶことができます。
トピックでX-Ray
次に、「人物」ではなく、「トピック」のタブを見てみましょう。
本書「カラマゾフの兄弟」に含まれるキーワードが抽出されています。
その中の「ダッタン人」をタップしてみました。
本書の中に出てくる「ダッタン人」に関連したフレーズが抜き出されています。
その部分をタップすると、本文の該当ページに移動することもできます。
ちなみに、上部には、ダッタン人の説明があります。「もっと読む」をタップすると・・・
ダッタン人の詳しい解説を読むことができます。内容はwikipediaからの引用です。
わからないキーワードがあれば、このようにして理解を深めながら読み進めることができます。
人物の抽出がとにかく便利
KindleのX-Ray機能は、とにかく人物の抽出が便利です。
登場人物が多く、名前が外国語で覚えにくい。そんな海外の長編小説を読むときに最高に威力を発揮します。
「トピック」の方は、抽出されるキーワードは少なすぎて、それほどメリットが感じられませんでした。
いわゆるビジネス書で使ってみても、わかりきった用語が抽出されるだけです。
現在の機能では、小説を読むときに便利な機能となっています。
AIの進歩で革命的な読み方が可能に?
X-Rayは、他の電子書籍ストアでは見られないKindle独自の機能です。
キーワードの抽出はすべて機械的に行っているそうです。
AIが進歩すれば、より完成度の高い「骨格の抜き出し」が可能になることでしょう。
読者の目的に応じて、本の中から必要な部分を抜き出してくれるようになるかも知れません。
どんなに難解な本でも、そのとき必要な部分だけを短時間で読めるようになります。
本の読み方が革命的に変わる可能性を秘めています。
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