現在、日本では電子書籍ストアが乱立しています。ストア選びで困っている人が多いはず。
多くの人が知りたいのは、「どの電子書籍ストアが人気なのか?」ということ。
利用者の多い電子書籍ストアについて、面白い調査データがありますのでご紹介します。
データの見方に注意点があるので、その点もふまえてご紹介します。
正確なデータは存在しない
まず大事なポイントから。
電子書籍ストアのシェア調査と言っても、売上高や利用者数はわかりません。
というのも、それぞれの電子書籍ストアが公表していないからです。
たとえば、Amazonや楽天について言えば、上場企業なのでトータルの売上は公表されますが、電子書籍事業だけの売上や顧客数は未公表です。
他の多くの電子書籍ストアも同様で、売上や顧客数を外から知ることができないのです。
そこで、電子書籍を利用している消費者にたいして、一人一人「どの電子書籍ストアを利用したことがありますか?」とアンケートに答えてもらうしかないのです。
ということで、これからご紹介するデータは、あくまでアンケートの結果に過ぎず、参考程度にとどめておいてください。
インプレス総合研究所の調査
インプレス総合研究所がリリースした「電子書籍ビジネス調査報告書2019」からデータをご紹介します。
2018年度の電子書籍市場の調査となります。
有料・無料を問わず、電子書籍ストアを利用している人に複数回答で利用ストアを聞きました。
以下、上位20ストアとなります。単品型ストア、定額型ストアが混在しています。
- Kindleストア 24.2%
- LINEマンガ 23.3%
- 楽天kobo電子書籍ストア 12.4%
- 少年ジャンプ+ 12.0%
- comico 10.6%
- pixivコミック 10.3%
- ビッコマ 10.2%
- コミックシーモア 9.5%
- マンガワン 9.3%
- Google Play ブックス 8.4%
- めちゃコミック 7.9%
- Renta! 7.2%
- スマートニュース 7.0%
- Kindle Unlimited 6.6%
- GANMA! 6.5%
- dマガジン 6.4%
- 小説家になろう 6.3%
- ニコニコ漫画 6.3%
- ebookjapan 6.3%
- 楽天マガジン 6.2%
このデータは HON.jpのニュース(「 電子書籍ビジネス調査報告書2019 」紹介記事)から。
スマホの無料マンガアプリがランクイン
上記のデータを見ると、有名ストアが入っていない一方で、マイナーなストアが入ってきていると感じる人がいるかも知れません。
「有料・無料を問わず、利用したことがある電子書籍ストア」という質問なので、無料のマンガアプリが上位に入りやすくなっています。
マンガアプリの広告市場が急拡大していますが、上記データからその一端が見て取れます。
MMD研究所の調査
次に、有料で電子書籍を購入した人へのアンケート調査を紹介します。
MMD研究所の「2018年8月 電子書籍の利用に関する調査」から、以下のデータが公表されました。
有料の電子書籍を購入したことがある人に、利用したことがある電子書籍ストアを回答してもらうアンケートです。
定額サービスではなく、一作ずつ購入タイプのデータ。上位20ストアを紹介。
- Kindle 45.3%
- 楽天kobo 28.1%
- Reader Store 16.8%
- honto 電子書籍ストア 13.2%
- LINEマンガ 13.2%
- iBook Store 12.7%
- eBookJapan 11.8%
- Renta! 10.6%
- Google Play ブックス 10.3%
- BookLive! 9.8%
- Yahoo!ブックストア 9.4%
- めちゃコミック 9.4%
- コミックシーモア 8.4%
- DMM電子書籍 7.4%
- 紀伊國屋書店ウェブストア 6.7%
- BOOK☆WALKER 6.5%
- 電子書店パピレス 5.3%
- ヨドバシ.com電子書籍ストア 4.1%
- ひかりTVブック 2.9%
- どこでも読書 2.6%
このデータはMMD研究所のページから
典型的な有力ストアがランクイン
有料で購入した人に聞いたアンケートですが、いわゆる典型的な有力ストアがランクインしています。
2018年8月の調査なので、Yahoo!ブックストアがランクインしていますが、eBookJapanに吸収されました。現在ならeBookJapanのシェアはもう少し高くなるはずです。
ソニーReader Storeやhontoが思ったより強い印象です。
2つのデータは「未来」と「過去」となるのかどうか
上記2つのデータを次のように解釈したいと思います。
インプレス総合研究所のデータは「金をあまり使わない人の人気ストア」、MMD研究所のデータは「本に金を使う人の人気ストア」。
そうなると、次のことが言えるかもしれません。
日本の電子書籍市場はコミックが8割以上を占めます。そのコミック市場において、無料で読める広告モデルが拡大しています。
この傾向がさらに続くとしたら、生き残れるのは1番目のリストにランクインしているストアかも知れません。
個人的には、MMD研究所の「本に金を使う人の人気ストア」の方が、普段利用しているストアばかりで親近感がありますが。
両方でランクインしている電子書籍ストア
最後に両方のアンケートでランクインした電子書籍ストアをまとめます。
Kindle、楽天kobo、LINEマンガ、コミックシーモア、Renta!、Google Play ブックス 、めちゃコミック、eBookJapan。
電子書籍ストアの生き残りレースがあるとしたら、これらのストアが最有力馬といえるでしょう。
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