著作権の切れた本は、無料で読むことができます。
低コストの電子書籍だからこそ
本屋さんにいくと、漱石や太宰の小説は、新刊の小説と同じような価格で売っているので、著作権が切れていることを忘れがちになりますよね。
紙の本だと、印刷、製本、流通、小売にコストがかかりますから、著作権が切れていても無料というわけにはいきません。
その点、低コストの電子書籍であれば無料で読むことができるんです。
Kindleストアでは、著作権が失効して無料となっている電子書籍の数がすごい。洋書4万冊、和書1万冊です。
何年前の本なら無料で読むことができるのか
著作権の保護期間は、「文学的及び美術的著作物の保護に関するベルヌ条約」という国際条約で定められています。
「著作者の死亡から50年」というのが保護期間となっています。ただし、延長も認められています。
日本は50年のままですが、EU諸国や米国は70年を保護期間としています。
日本でも70年にすべきだという議論がさかんに行われているので、今後、EUや米国にならって延長される可能性もあります。
現状では日本は「著作者の死亡から50年」が保護期間ですから、現在2016年なので、著者が1965年以前に死亡した本については、無料で読むことができるんですね。
2016年に著作権が切れる作家
今年、著作権が切れる作家には、どんな人物がいるでしょうか。
- 谷崎潤一郎
- 江戸川乱歩
- 梅崎春生(小説家)
- 高見順
けっこうビッグネームがいますね。
ただし、注意点として、すぐに全著作物が無料として出版されるわけではありません。電子書籍としての出版手続きも必要なわけですから、順次発行されますので待たなくてはなりません。
しかし、2016年の2月から3月で、すでに江戸川乱歩と谷崎潤一郎の作品がありました。
これから順次、他の著作も発行されていくでしょうから、楽しみですね。
2020年台初頭には、三島由紀夫、志賀直哉、川端康成といった作家の著作権も切れます。(日本の保護期間が50年のままなら)
読者としてはありがたいことです。