自炊とは、紙の本をスキャンして電子書籍化することです。
自分でスキャンするのは面倒なので、スキャン代行業が以前は盛んでした。
しかし、裁判になり、激減しました。現状はどうなっているのか調べてみました。
スキャン代行業の全盛期
自炊の作業はけっこう面倒です。本を裁断して、スキャナで1ページ1ページ読み取る。
裁断機やスキャナーも必要となります。
そこで、自炊を代行してくれる「スキャン代行業」が、2010年頃はたくさんいました。
1冊あたり100円~300円くらい。蔵書を代行業者に送ると、電子書籍ファイルをDVDで送ってくれます(ダウンロードできるケースも)。
仮に200冊の蔵書を電子書籍化すると、2万円以上かかります。
それでも、電子書籍化するメリットを考えて、代行を依頼する人が多かったのです。
裁判になって違法判決
2011年、出版業界から、「私的利用であることをどのように確認しているか」等の質問状が代行業者に送られました。
その後、2012年に裁判となりました。
個人が自炊するのはもちろん私的利用の範囲なら合法です。複製を代行することの是非が問われました。
上記のwikipediaで、「スキャン代行業」の法的問題としてまとめられています。裁判所の判断は最終的に以下のようになりました。
業者側が事業主体として複製行為を行っており私的複製と解釈することはできない
2014年、業者側の控訴が棄却され、自炊代行は違法という判決が確定しています。
この判決が出てから、スキャン代行業者は激減しました。
今でもグレーゾーンの自炊業者が営業中
しかし、ネットで「自炊代行」と検索すると、まだ業者は存在します。
どうやら、「著作権者に許可を得ている本」なら自炊代行しても良いらしいです。どの業者のWEBサイトでも「許可を得ている本を送ってください」と注意書きが書かれているはずです。
しかし、一読者がわざわざ「自炊代行使っていいですか?」なんて出版社と交渉するわけがない。建前では「許可を得ている本」を自炊代行することになっていますが、実際は怪しいわけです。
合法的に自炊するなら、自分でやるしかないですね。
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